こんなことはありませんか?
仕事帰りに外へ出たら、もう空が真っ暗で、なんだか胸がきゅっとした経験はありませんか?夏は夕方の予定も楽しかったのに、最近は家に帰るとすぐ布団にもぐりたくなり、甘いものばかり欲しくなる。特に理由もないのに「私、どうしちゃったんだろう」と感じる日が増えているなら、季節が心に影響しているのかもしれません。
心と体に何が起きているの?
秋が深まるにつれて、日照時間ははっきりと短くなります。私たちの体は光を手がかりに一日のリズム、つまり**概日リズム(サーカディアンリズム)**を整えていますが、朝の光が減るとこの体内時計が少しずつずれることがあります。
- メラトニン:暗くなると分泌される睡眠ホルモンです。暗い時間が長くなると、日中もだるく眠く感じやすくなります。
- セロトニン:気分の安定に関わる物質で、浴びる日光の量と関係があると言われています。
- 活動量の低下:寒く暗くなると外出が減り、体を動かさなくなると気分も一緒に沈みがちです。
こうした変化が重なると、やる気が出ない、眠る時間が増える、炭水化物が欲しくなる、といった形で現れることがあります。多くの人が経験する軽い**「季節性の気分の落ち込み(ウィンターブルー)」**は珍しいものではありません。ただ、毎年同じ時期にくり返し、生活に大きく影響するようなら、**季節性感情障害(SAD)**と呼ばれる状態かもしれません。大切なのは、これは意志が弱いからではなく、体が光の変化に反応している自然なプロセスだということです。
今日からできること
1. まずは朝の光を浴びましょう
起きたらすぐカーテンを開け、できれば午前中に15〜30分ほど外を歩いてみてください。曇りの日でも、屋外の光は室内の照明よりずっと明るいのです。通勤時にひと駅手前で降りて歩くのもおすすめです。机やテーブルを窓際に移すだけでも、日中に浴びる光の量が変わります。
2. 寝る時間と起きる時間をそろえましょう
日の出が遅くなると朝寝坊したくなりますが、週末も起床時間をほぼ同じにすると体内時計が乱れにくくなります。夜は照明を少し暗めにし、寝る30分前にはスマホを置いてみましょう。
3. 少しでも体を動かしましょう
本格的な運動でなくても大丈夫です。昼休みの10分散歩、階段を使う、夜のストレッチなど、小さな動きの積み重ねが気分を上向きにする助けになります。日が出ているうちに動けば、光と運動を一度にとることができます。
4. 小さな楽しみを予定に入れておきましょう
気分が沈むと、約束を先延ばしにして一人でこもりたくなりがちです。お気に入りのカフェ、友人との短い電話、温かいお茶の時間など「楽しみなこと」を手帳に書いておくと、やる気がない日にも小さな明かりがともります。
5. 気分を気軽に記録してみましょう
一日一行、気分・睡眠・外に出た時間を書いてみてください。数週間たつと「日に当たった日は少し楽だった」といった自分なりのパターンが見えてきて、何を増やせばいいかがわかります。
こんなときは助けを求めましょう
気分の落ち込みが2週間以上続いたり、仕事や学校、家事などの日常が回らなくなるほどなら、一人で耐えなくて大丈夫です。眠りが極端に増えたり減ったりする、何をしても楽しくない、自分を傷つけたい気持ちがある、そんなときは必ず精神科・心療内科や専門のカウンセラー、お住まいの地域の地域の心の相談窓口などに相談してください。命に関わる危険があるときは、迷わず地域の緊急番号や相談窓口に連絡しましょう。季節性のうつには光療法など効果が知られている方法があり、専門家と一緒なら十分に良くなっていけます。
日が短くなった分だけ心が重たい日も、こころがいつでもそばで、あなたのお話を聴いています。